治療費は?
治療のため仕事ができない間の収入は?
後遺症が残ってしまった場合、生活費、介護費用はどうすればいい?
一家の支えを失って今後どうやって生活していけばいい?
不幸にして交通事故の被害者になると物的被害だけでなく身体的精神的に大きな被害を受けてしまい日常生活も満足に送れません。被害者が亡くなってしまわれた最悪のケースではご家族がそれ以上の困難な状況に追い込まれてしまいます。
交通事故によって生じた損害は加害者が金銭賠償することになってはいますが、具体的に各関係機関への問い合わせ、自賠責保険の請求、加害者側の保険会社との交渉手続き等を経ないと賠償金は支払われません。
事故によってダメージを負い治療中のご本人や、心身共に介護に尽力されているご家族が複雑な手続きを適切になされるのは心理的・時間的に難しいところです。死亡事故であればご遺族がこういった手続きを行うことになりますが、愛する家族を亡くされた上、今後の生活への不安を抱える中、適切な対応をするのは困難であることは想像に難くありません。その上、相手は知識を有したプロです。交渉が長引いてしまえば、その間の治療費や生活費にも欠く事態になり、泣く泣く相手の言い値による損害賠償額を受け入れる羽目になりかねません。
交通事故の損害賠償問題を解決するには、まずは弁護士にご相談ください。
~人身事故の被害者になった場合、どのような損害が請求できるのでしょうか?
積極損害とは、事故によって被害者が出費を余儀なくされる損害です。
例えば、治療費、入院雑費、通院交通費、付添看護費・将来の介護費、器具装具等購入費、自宅改造費などがこれに含まれます。
消極損害とは、事故にあわなければ被害者が将来得るはずだったと予想される利益です。
例えば、休業損害や後遺障害、死亡による逸失利益がこれに含まれます。
慰謝料は、事故により被った精神的損害を金銭で換算したものです。
傷害(入通院)慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料がこれにあたります。
休業損害の具体的な金額は、1日あたりの損害額(「日額基礎収入」)に休業日数をかけて計算するという方法が原則です。
後遺症による逸失利益とは事故による後遺症がなければ得られたはずの利益をいいます。事故によって得られるはずだった利益が得られなくなったものとして、損害賠償の対象となります。死亡による逸失利益も同様に損害賠償の対象となります。具体的な額を算出する際にはそれぞれ以下の計算式が用いられます。
具体例:
給与所得者40歳男性が事故により後遺症を負った場合(年収500万円、後遺症等級6級のケース)
後遺症等級6級の場合の労働能力喪失率=67%(自動車損害賠償保障法施行令別表第2)
※労働能力喪失率は障害等級に応じて一定の率が定められています。
稼働年数:67歳-40歳(症状固定時年齢)=27年
※平均的稼働期間は、原則として、18歳から67歳までとされています。
稼働年数27年に対応するライプニッツ係数=14.643
※逸失利益は将来発生するものですが、まとめて一時払いを受けられることから、その間の利息が控除されます。この中間利息を控除する計算方式はライプニッツ方式が採用されており、年数に応じた係数が用いられます。
計算式: 500万円×0.67×14.643=4905万4050円
具体例:給与所得者50歳男性が死亡した場合(年収600万円、妻・子一人のケース)
生活費控除率=30%
※生活費控除率とは損害賠償額から、生存していれば必要だった生活費を差し引く際の割合です。亡くなった方の扶養者の数、性別等によって用いられる割合がおおよそ決まっています。本例では、2人を扶養していた一家の支柱が亡くなった場合として、30%を用いています。
稼働年数:67歳-50歳=17年
稼働年数17年に対応するライプニッツ係数=11.2741
計算式:600万円 ×(1-0.3)× 11.2741=4735万1220円
~保険会社が提示する金額に不満はありませんか?
交通事故の賠償金の支払いには(ア)自賠責基準、(イ)任意保険基準、(ウ)裁判所基準の3つの基準があり、それぞれ賠償額が異なります。
保険会社の提示する金額は、通常、(イ)任意保険基準であることが多いのですが、これは(ウ)裁判所基準よりも低く、とくに後遺症が残るケースや死亡案件では大きな差が生じてしまいます。
弁護士が介入した後は、保険会社も(ウ)裁判所基準での交渉に応じることが多いため、交通事故(人身事故)の示談交渉は弁護士にお任せ下さい。
(ア)自賠責基準は、自賠責保険に請求する際の基準です。
自賠責の支払基準は損害別に定められており、上限も定まっていますが、裁判をした場合にその上限を超えた請求ができないというものではありません。過失割合等によっては裁判所基準よりも高額になることもありえますが、基本的には自賠責基準は、裁判所基準よりも低額になります。
(イ)任意保険基準とは、任意保険会社の内部基準です。この金額は、裁判所基準より少ない場合が多い点に注意が必要です。あくまでも内部基準ですので被害者がこの額に拘束されることはありません。保険会社はこの基準をベースに示談交渉を進めてきます。
(ウ)裁判所基準は、裁判になった場合に認められるであろう金額の基準です。
損害賠償をより多く獲得するためには裁判所基準による示談を目指します。折り合わなければ裁判をすることを検討することになります。
下記の基準表1と基準表2を基準として妥当な金額が決定されます。
基準表1の見方
入院月数を上欄から求め、左欄から通院月数を求めて両者が交叉する欄の数額が慰謝料基準額となります。入院のみの場合は入院のみの欄(青色部分)の金額を、通院のみの場合は通院のみの欄(紫色部分)の金額を慰謝料額とします。
基準表2の見方
基準表1で求めた数額をもとに、傷害の軽重に応じた妥当な金額を決定します。
傷害の 程度 |
傷病名及び症状など | 金額の目安 |
---|---|---|
特に 重症 |
1かつ2 1.脳・脊髄の損傷、多数箇所の骨折、内臓破裂、 (通常生命の危険があることが多い) 2. 絶対安静を必要とする期間が比較的長く継続したとき、症状の回復が思わしくなく重度の障害が残ったとき、長期にわたって苦痛の大きい状態が継続したとき |
上限の2割増 程度まで |
重症 | 大腿骨の複雑骨折又は粉砕骨折、脊髄損傷を伴う脊柱の骨折等苦痛や身体の拘束が強い症状 | 上限 |
通常 | 上限の 7~8割程度 |
|
軽傷 | 程度の軽い神経症状(被害者の自覚症状によってしか傷害の存在を判別できない程度のむち打ち症など)、軽い打撲・挫創(傷)のみの場合 | 下限 |
後遺症の認定
後遺症とは、治療をしてもこれ以上よくはならず、病気や弊害が半永久的に続く状態のことです。事故後6ヶ月以上(場合によると1年以上)経過してもそれ以上治療の効果が認められない場合は、通常、「症状固定」とみなされ、自賠責保険に後遺障害等級の申請をすることになります。
この後遺障害認定については正当に認定されていないケースが見受けられます。保険会社まかせにしていると正当な等級認定を受けられず、損害賠償金額が減額されてしまうこともあります。
後遺障害認定に不満があれば等級認定を正当なものにあらためるよう異議申立をすることができます。
一家の支柱:当該被害者の世帯が、主として被害者の収入によって生計を維持している場合
一家の支柱に準ずる者:例えば、家事の中心をなす主婦、養育を必要とする子を持つ母親、独身者であっても高齢な父母や幼い兄弟を扶養しあるいはこれらの者に仕送りをしている者など
交通事故の被害者にも過失があると、その割合に応じて、損害賠償額が減額されてしまいます。たとえば加害者が8割、被害者が2割の過失があるとされると全損害額の8割しか加害者に請求できないことになります。これを過失相殺といいます。
過失の割合については、事故の態様に応じた基準があり、過失相殺率と修正要素が類型化されています。ただ、類型化されているといっても個別の事故がどの態様にあたるか、修正要素をどのように加減するかについて争いが生じることが多く、保険会社の主張が全て正しいわけではありません。
保険会社の提示する過失相殺の割合に納得がいかない場合、一度弁護士にご相談されることをお勧めします。
法律相談 | 5,000円(税別) |
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示談交渉 | 着手金 10万円(税別) 報酬金 10万円(税別)~ 又は 時間制報酬 1時間:2万円(税別) |
訴訟・あっせん仲裁 | 追加費用 着手金 10万円(税別) |
法律相談 | 初回に限り無料 |
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示談交渉 | 着手金・報酬金 訴訟・あっせん仲裁の場合の3分の2 |
訴訟・あっせん仲裁 | 当事務所の 報酬基準表 の通り |
※相手方が任意保険に加入している場合には、依頼者は受任時に着手金の支払いは不要です(着手金の清算は事件終了時)。
弁護士費用賠償特約
ご自身の自動車保険に弁護士費用を保険会社が支払うという特約があれば、保険会社が弁護士費用を支払ってくれます。
この「弁護士費用特約(弁護士費用等補償特約)」とは、「自動車事故に遭い、加害者との交渉を弁護士に依頼したときや事故の解決が訴訟に及んだとき、必要となる弁護士費用が実費で補償される。」というものです。比較的僅かな掛け金ですが、保険会社が示談代行してくれない場合(「もらい事故」、自分の過失0%)等には特に効果を発揮し、最近ではかなり普及も進んでいます。
保険金の支払対象は弁護士報酬、訴訟費用、法律相談料などの費用となります(通常300万円が上限)。