
昭和55年以来、約40年ぶりの大幅な見直しとなった平成30年の相続法(民法等)改正は、私たちの相続実務に極めて大きな影響を与えています。本記事では、改正の全容を6つの項目に分けてわかりやすく解説します。
残された配偶者の生活基盤である「住まい」を保護するための権利が新設されました。
| 制度名 | 概要 |
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配偶者短期居住権の新設 (新民法1037条-1041条) |
配偶者が相続開始の時に遺産に属する建物に居住していた場合には、遺産分割が終了するまでの間、無償でその居住建物を使用できるようにする制度です。
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配偶者居住権の新設 (新民法1028条-1036条) |
配偶者の居住建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者にその使用を認める法定の権利を創設しました。遺産分割等における選択肢の一つとして、配偶者に配偶者居住権を取得させることができます。 |
遺産分割における不公平の是正や、当面の資金需要に対応する仕組みが整えられました。
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配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示推定) (新民法903条4項) |
婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産の遺贈又は贈与がされたときは、持戻しの免除の意思表示があったものと推定し、被相続人の意思を尊重した遺産分割ができるようにする制度です。 |
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遺産分割前の払戻し制度 (新民法909条の2) |
相続された預貯金債権について、生活費や葬儀費用の支払、相続債務の弁済などの資金需要に対応できるよう、遺産分割前にも払戻しが受けられるようにする制度です。 |
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処分された財産の組込み (新民法906条の2) |
相続開始後に共同相続人の一人が遺産に属する財産を処分した場合に、計算上生ずる不公平を是正する方策を設けています。
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遺言書の作成・保管がより安全で便利になり、遺言執行者の役割も明確化されました。
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自筆証書遺言の方式緩和 (新民法968条) |
自筆でない財産目録を添付して自筆証書遺言を作成できるようにするものです。
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遺言執行者の権限の明確化 (新民法1007条・1012条-1016条) |
遺言執行者の権限が明確化されました。 | |
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遺言書の保管制度の創設 (遺言保管法) |
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遺留分のトラブル解決方法が、現物の返還から「金銭」での精算へと一本化されました。
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遺留分侵害額の金銭債権化 (新民法1042条-1049条) |
遺留分減殺請求権の行使によって当然に物権的効果が生ずるとされている現行の規律を見直し、遺留分権の行使によって遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずるものとしました。あわせて、受遺者等の請求により、金銭債務の全部又は一部の支払につき裁判所が期限を許与することができるようにしています。
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遺言による財産取得であっても、登記を早めに行う必要性が高まりました。
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法定相続分を超える権利承継の対抗要件 (新民法899条の2) |
相続させる旨の遺言等により承継された財産については、登記等の対抗要件なくして第三者に対抗することができるとされていた現行法の規律を見直しました。法定相続分を超える権利の承継については、対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないようにしています。
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無償で介護などを行った親族の労力に報いるためのルールができました。
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特別の寄与 (新民法1050条) |
相続人以外の被相続人の親族が、被相続人の療養看護等を行った場合には、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭請求をすることができる制度を創設しました。これに伴い、家庭裁判所における手続規定(管轄等)も設けられています。
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【おわりに】
平成30年の大改正により、配偶者の権利保護や遺言の利便性が高まった一方で、遺産分割前の財産処分への対応や登記の重要性など、新たなルールに則った専門的な対応が求められています。
相続手続きや遺産分割協議にお悩みの方は、当事務所の弁護士までお気軽にご相談ください。最新の法改正を踏まえ、最適な解決策をご提案いたします。

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