
▽遺留分侵害額請求事件(調停)~預金口座の取引履歴より生前贈与を発見し特別受益と認めさせるとともに,和解金の支払いに担保権を設定し債権回収の確実性を高めた事案
事案と解決:
亡父より相手方(弟)に対して不動産を含むすべての財産を相続させるとの遺言があり,遺留分侵害請求を行いましたが,話合いでは解決できずに調停を申し立てました。金融機関より過去の取引履歴を数年分取り寄せ精査した結果,数百万円が生前贈与されており,相手方に特別受益であることを認めさせました。また,相手方は,和解の方法について,和解金の一部は直ちに支払い,和解金の残金は,ある不動産を売却した後,当該売却代金から支払うことを主張したため,当方への和解金の支払を確実にする目的で,当該不動産について抵当権(担保権)を設定し,また,違約金条項を付けることを条件に調停を成立させました。相手方には代理人も就いており,一定期限後に和解金を支払うとの相手方の約束を信じるという選択肢もあり得たのですが,相手方が信用ならない人物であるとの依頼者の判断を尊重して,できる限り慎重な対応を取りました。案の定,相手方は,約束の期限が来ても和解金の残金を支払わず支払の引き延ばしを画策したため,当方は,直ちに抵当権実行の手続を取り,和解金残金,違約金,諸費用等を含めてすべての債権の回収を図ることができました。
担当弁護士よりコメント:
相手方は,調停期間中の不動産売却(中間合意)に同意しなかったため,調停成立前より既に不審な点があったとも言える事案です。リスクを嫌い和解しないという方法もありましたが,リスクに対する備えを十分に取り,臨機応変に柔軟に対応することで早期解決に持ち込めた事案であったと思います。
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