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未成年者の不法行為と損害賠償責任(中日新聞尾張版掲載 「暮らしの法律相談」)

Q.80歳の祖母が中学生(15歳)が乗る自転車とぶつかり,意識不明の重体です。中学生はスマートフォンを操作していたそうです。中学生に対し治療費等を請求できるのでしょうか?

 

A.スマートフォンの操作をしながら自転車を運転したために,前方注視義務違反の過失によって他人に損害を与えた場合,不法行為が成立し,通常は自転車の運転者(加害者)に損害賠償責任が発生します(民法709条)。もっとも,加害者が未成年者の場合,自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなければ,責任能力がないものとして責任を負いません(民法712条)。民事上,一般的には,責任能力を備えるのは12~13歳程度とされており,本件では,加害者が15歳ですので責任能力があるものと考えられ,中学生に対して損害賠償を請求できるものと思われます。

 しかしながら,通常,中学生は財産を有しておらず,支払は期待できません。そこで,中学生の親に対し,不法行為責任に基づいて支払を請求できないかを考えることになります。

原則として未成年者の親というだけでは不法行為責任は発生しません。しかし,未成年者に責任能力があり未成年者自身が損害賠償責任を負う場合でも,例えば,過去に同じような事故を起こしたのに何の指導も行っていない場合等,親の監督義務違反と事故によって生じた結果との間に相当因果関係が認められれば,親も損害賠償責任を負います(民法709,710条)。

 

(平成30年2月21日中日新聞全尾張版「暮らしの法律相談」掲載,執筆担当:弁護士阿部裕之)

Posted on 2月 28, 2018 at 2:55 PM
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Categories: 暮らしの法律相談(中日新聞掲載)
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