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海外居住者との相続手続(中日新聞尾張版掲載 「暮らしの法律相談」)

Q.先日,父が亡くなり相続手続を進めたいのですが,兄弟のうち一人(弟)が海外に居住しています。どのような手続が必要でしょうか。

 

A.相続人の中に海外居住者がいる場合であっても,誰がどの財産を相続するかを話し合い,遺産分割協議書を作成する必要があります。遺産分割協議書には,相続人全員が署名・実印による押印をして印鑑証明書を添付する必要があります。

  しかし,海外居住者は日本での住民登録抹消と同時に印鑑登録も抹消されてしまうので,印鑑証明に代わるものとして「署名証明」制度が設けられています。署名証明は日本での手続のために現地の在外公館で発給され,申請者の署名・拇印が領事の面前でされたことを証明するものです。証明の方法は,①在外公館が発行する証明書と申請者が領事の面前で署名した私文書を綴り合わせて割印を行うもの,②申請者の署名を単独で証明するものの2種類です。遺産分割協議書は,通常,①の方法によるので,事前に書面を完成させて持参することになります。

  更に,遺産分割協議の結果,海外居住者が不動産を取得する場合等には「在留証明」も必要になります。在留証明書は日本国内居住者の住民票に相当するもので,現地の在外公館に申請して発給を受ける必要があります。

  ご質問のケースでは,弟さんの署名証明及び弟さんが不動産を取得する場合等には,署名証明に加えて在留証明を現地の在外公館で受ける必要があります。

 

(平成27年10月7日中日新聞全尾張版「暮らしの法律相談」掲載,執筆担当:弁護士野村一磨)

Posted on 10月 15, 2015 at 1:49 PM
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Categories: 暮らしの法律相談(中日新聞掲載)
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