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相続と寄与分(中日新聞尾張版掲載 「暮らしの法律相談」)

Q.長年同居して私が療養看護をしてきた父が亡くなりました。私が父の療養看護をしてきたことは,相続の際に考慮されますか。

 

A.あなたが療養看護をしてきたことは寄与分として考慮される可能性があります。寄与分とは共同相続人中に被相続人の財産の維持や増加に特別に貢献した者がある場合に,このことを考慮せずに相続分を決めることの不公平を是正する制度です。寄与分が認められた相続人は遺産のうちの相当額の財産を相続分以外に得ることができます。

療養看護は寄与分として考慮され得ます(民法904条の2)が,一方で親族間には,民法上互いに扶養すべき義務が課されています(民法877条)。そこで,療養看護は,民法上の扶養義務の範囲を超えるものであって初めて寄与分として考慮されます。

扶養義務の範囲を超える療養看護と認められた事案として,病弱で老齢の母と20年余,同居して扶養し,痴呆が高じて死亡にいたるまでの10年間は常に付添っていた事案などがあります(盛岡家裁審判昭和61411日)。この事案では昼間は常に傍らに付添い,夜間は不寝番をしなければならない状態でした。

親族間の扶養義務の範囲を超える療養看護に該当するには,この事案のように通常,人を雇う必要があるような要看護状態に対する療養看護であることが一応の目安と考えられています。

 

(平成2777日中日新聞全尾張版「暮らしの法律相談」掲載,執筆担当:弁護士野村一磨)

Posted on 7月 14, 2015 at 10:45 AM
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Categories: 暮らしの法律相談(中日新聞掲載)
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